はじめに
2025年5月22日、Solana最大のレンディングプロトコルKaminoが最新バージョンKamino Lend V2をメインネットで正式リリースしました。V1の堅牢なコードベースを継承し、Earn Vault、Pro Borrow UI、 モジュラーマーケット レイヤー、証拠金レバレッジ取引、RWA統合といった5つのコア機能を備え、機関・個人の両ユーザーに向けた高度なクレジット商品を展開します。本記事では、公式ドキュメントおよび公式発表を踏まえ、その概要を解説します。
Kamino Lend V2の背景
V1の実績
- 運用資産総額(AUM)約40億ドル:2023年以降、Solana上のレンディング市場でトップクラスの規模を維持
- 14回のセキュリティ監査+形式検証:Osec、Certora、Offside Labs、Sec3など複数の監査機関とCertoraによる形式検証を完了し、ソラナ上で最も堅牢な借入/貸出プラットフォームとの評価を確立
- 数十億件のトランザクション成功実績:高TPS環境での安定稼働を実証
市場ニーズ
- モジュラー化へのシフト:DeFiプロトコルが機能ごとに最適化されたモジュールを提供することで、パートナーや使⽤ケースに応じた柔軟な組み合わせが可能に。
- 自動流動性管理:公式Docsで紹介されているAutomated Liquidity機能により、Vault内の資産が動的に再配分され、効率的な利回りをサポート
- 機関投資家向け機能:KYC/許可制市場やRWA統合に対応し、従来の金融機関のオンチェーン参⼊を容易化
5つのコア機能とその詳細
1. Earn Vaults(自動レンディングVault)
概要
- リスク許容度別自動資産配分:ユーザーが「保守的/バランス/積極」の3パターンから選択すると、Vault内の資産が最適に配分されます。各Earn Vaultは、Vaultキュレーターによって策定された運用方針に基づいて、さまざまな V2市場に展開されます。
- Vaultキュレーター:Steakhouse Financial、Re7 Labs、Allez Labs、MEV Capitalの4社が各Vaultの資産選定およびリバランスルールを策定
- 監査体制:スマートコントラクトはOsec、Certora、Offside Labs、Sec3による監査を完了。監査レポートはgithubで公開されています。
運用メリット
- 安定的な利回り:市場状況に応じた自動リバランスで、設定したリスクレベル内で最大の利回りを追求
- 簡易なユーザー体験:UI上でリスク許容度を選択するだけで運用開始でき、以降の調整はすべて自動化
リスク許容度別にVaultが設定してあって、SOLやらUSDCやら預けておくと、おまかせでいろんなところで運用してくれるサービスですね。
いちいち有利な運用先を探したりする時間のない人向けのサービスといえそうです。
https://app.kamino.finance/earn/lend
2. Pro Borrow UX(データ駆動型ローンダッシュボード)
主な機能
- 清算リスク分析:市場動向がポジションに与える影響を分析
- シナリオ分析:過去のイベント(FTX、LUNA、トランプ大統領選挙など)の価格影響のシミュレーション
- 利息の内訳:支払利息、受取利息、純利息を時間の経過とともに追跡
- LTV履歴:ポジションのLTV履歴を時系列で追跡
今後さらに充実させ既存金融と同等の借入UXへ
活用例
- 機関ユーザーはリスクマネジメント担当がダッシュボードを利用してポートフォリオ監視
- 個人ユーザーは自身の借入金利やLTV推移を見ながら最適借入タイミングを判断
3. モジュラーマーケットレイヤー
アーキテクチャ
- モジュラー マーケット インフラストラクチャ:正式に検証されたV1マーケットのコードベースを活用
- 即時作成:信用環境に合わせてリスクパラメータを高度にカスタマイズして、即座にマーケット作成が可能
初期ローンチパートナーと市場
| パートナー | 商品名 | レバレッジ | 月額インセンティブ |
|---|---|---|---|
| Marinade Finance | mSOL Loop | 10x | 165,000 USD(1,150,000 MNDE) |
| Solblaze | bSOL Loop | 7.5x | 44,000 USD(120M BLZE) |
| Sanctum | INF Loop | 4x | 34,000 USD(144 INF) |
| Exponent & Jito | PT Loop | - | 20,000 USD(10,000 JTO) |
| Bonk Inu | Leverage | - | 22,000 USD(1B BONK) |
| …など計10市場 | |||
ユースケース
- 許可制/KYCマーケット
- 固定金利借入
- カストディ借入
- ステーク済SOL担保借入
4. 証拠金レバレッジ取引
特徴
- 長期ポジションを低コストでレバレッジ(2~4倍)
- Kamino Lend V2 を搭載したワンクリックでレバレッジ
コア機能
- クラシックな取引UI
- 永久先物取引よりも大幅に安い手数料
- 担保利回り
- ソフト清算
- 清算保護機能
5. Kamino RWA(リアルワールドアセット統合)
第1フェーズ:ACREDトークン
- 発行元:Securitize & Steakhouse Financial連携
- メリット:オンチェーン担保を活用した柔軟なレバレッジ戦略
ACREDに続く複数のトークン化資産を準備中 今後、Solanaネイティブの新しいRWA固有のインフラストラクチャを導入予定
セキュリティと監査体制
- V1コア:複数機関による14回のフル監査+Certora形式検証
- V2 Vaults:Osec、Certora、Offside Labs、Sec3によるリリース前監査完了
- 継続監査:新機能ごとにQuarterly Pentestを実施
詳細な監査レポートはgithubで公開中。
ユーザー移行と開発者支援
- 移行コストゼロ:V1スマートコントラクトをそのまま使用可能
- 充実したドキュメント:APIリファレンス、TypeScript/Go SDK、CLIサンプルコードを提供
- オープンソース:GitHub上でIssue & PRを受け付け中
今後の展望
- RWAプロジェクトの追加発表(ACREDに続く複数のトークン化資産を準備中)
- モジュラーマーケットの提携拡大とインセンティブ市場の追加
- UX改善とSDK・API拡充の継続
まとめ
個人的にはステークアカウント担保借入の導入に期待しています。それが導入されるとpicoSOLマルチプライのポジション解消がディレイドアンステークでできるようになり、最後のスリッページによる収益悪化をかなり防ぐことができます。 証拠金レバレッジ取引などは使ってみて使い勝手がどうなのか、今後検証していきたいと思います。 RWAとかいろいろなアセットが出てくることは、純粋に投資家として期待です!
最新情報は公式ドキュメントおよびX(@KaminoFinance)をご確認ください。
